11日目 対訳原理主義者 編「対訳原理主義者は汎言語主義の夢を見るか」 2017年圧倒的成長振り返り一人アドベントカレンダー


この記事は ” 2017年圧倒的成長振り返り一人アドベントカレンダー ” の 11日目です。

https://adventar.org/calendars/2747

アドベントカレンダーに乗り遅れ、参加できそうなものがなかったので行われる、孤独な一人アドベントカレンダー。11日目の今日は、対訳原理主義者 編です。

対訳原理主義者とは何か

対訳原理主義者とは、翻訳の成果を「原文」と「対象言語の訳文」の二つを併記する形式=対訳の文化を、原理主義的に進めていく者のこと。

具体的には私が進めている翻訳を実際にご覧いただきたい。

https://nakanisi-yusuke.gitbooks.io/redux-document-ja/content/docs/introduction/CoreConcepts.html (Redux 公式ドキュメントの対訳)

翻訳された結果である日本語だけではなく、原文の英語のセンテンスも併記しています。これが対訳形式です。

対訳形式の利点

基本的には母国語で読んだ方が、読める速度は上がりますが、しかし精度という意味では原文を読んだ方が高いといえます。その両者の利点をかね備えるのが、対訳形式です。

例えば、母国語が日本語で、原文が英語の場合、第三者が翻訳した日本語訳文を基本的に読み進めることで速度を確保しつつ、訳文が十分に意味を表出できていない場合には、原文を読むことで精度を上げる、という読み方が対訳であれば可能です。

対訳形式の場合、読者は翻訳されたセンテンスと同時に、原文をも確認することが容易にできるため、翻訳では十分に理解できない場合や、誤訳であることが予想される場合に、原文を確認することができます。

もし対訳ではない場合、原文を探す手間がかかります。(単純に原語切り替えタブをクリックすればいいだけの場合もありますが、それでも対訳よりも視認性が下がります) また、今読んでいる場所が何ページにあるのか、対応している箇所を探すのも一苦労です。

こういった問題を対訳形式は解消し、速度と精度のどちらをも、翻訳、原文をより向上させることができます。

過去の実績

こちらの記事のリンクで私の過去の対訳の成果について確認できます。

他にも GitBook 上で進めているものもあります。

対訳原理主義者としての今後の活動

対訳原理主義者として、対訳文化を推し進めるための一番効果的な方法は、何よりも私が対訳コンテンツを提供することだと思っています。

対訳可能なプラットフォームやサービスの作成、という間接的な方法も考えられますが、対訳が広がらない一番の要因は、そもそも翻訳を積極的におこなうエンジニアがいない、ということだと私は考えています。そもそも、対訳か訳文のみか、という問題の前に、翻訳コンテンツが非常に少ないというより根本的な問題があります。この根本的な問題をクリアしつつ、対訳を広めるためには、自分自身が対訳コンテンツを出していくことが一番効果があると考えています。

何を対象とすべきか

後述しますが、対訳、ひいては翻訳されたコンテンツが好まれないのは、そもそも翻訳されたコンテンツの質が低く、遅いからではないか、と考えています。翻訳されたコンテンツを読むよりも、日本人が書いたテキストの方がわかりやすければ、翻訳コンテンツは歓迎されません。また翻訳されるのが遅ければ、日本語の解説書籍も出版され始めますので、公式ドキュメントを読む必要性が下がります。

そうなれば、わざわざ無名の人間が翻訳した公式ドキュメントを読む価値はほぼありません。そして対訳原理主義を広める隙もありません。

ですから、対訳原理主義を推し進めるためには、ニーズがあり、かつまだ日本語の書籍が出ていないものを対象にする必要があると考えています。

例えば、JavaScript そのものや CSS に関してはすでに日本語の書籍が大量にありますので、この領域を対象にすることは、対訳原理主義の普及にはあまり効果がないと考えています。

効果があるのは、React Native, Swift, Kotlin といった、仕事としてニーズがある技術でありながら、まだ日本語の資料がない、もしくは少ない領域です。

React Native を主題とした日本語の商業書籍はまだありません。ですが技術として今後需要が増えていくことが期待されます。ですので、ここは対訳原理主義を広めるにあたって最適なエリアではないかと思っています。

Swift や Kotlin に関しては、その言語の仕様について書かれた本はすでに出ています。しかし、iOS や Android 開発のためのという点では、十分なコンテンツがないので、まだ隙間があると思っています。ただし、少なくとも出ているという点では、React Native よりも難しい市場です。それでも仕事としてすでに市場があるので、その点はプラスです。

React Native, Swift を重点対象として活動していきます。Kotlin は JAVA を過去にやっていた人たちに質の点で勝てないと思いますので譲ります。

対訳原理主義を私が推し進めるインセンティブは何か

なぜここまで対訳原理主義を私が推し進めるのか、疑問に思われる方もいらっしゃると思うのでご回答させていただきます。

そもそも論としては、翻訳が私の趣味だ、ということがあります。趣味で翻訳をやっているのです。そのため、別に誰も読まなくても私は粛々と翻訳を続けていきます。

だとしたら、対訳ではなく翻訳でいいではないか、と思われると思いますが、対訳こそが翻訳の面白さを一番引き出す形式だと思っています。訳文だけが乗っているだけでは、本当の翻訳の面白さを伝えきることができないのです。

だいたい翻訳された本を買う場合も、原語の書籍を書います。つまり一つのコンテンツについて日本語と言語の二冊の本を買っています。そしてそれを並べて読みます。これが一番楽しい読み方だと私は思います。

しかし、これはそもそもかさばります。二冊買わなくてはいけないので。また交互に見るのが非常に面倒です。であれば、最初から対訳になっていればいいのです。

とにかく対訳は私の趣味嗜好であるので推し進めている、というのが第一の原理です。

しいていえば対訳が公共に利する部分もある

対訳は私の趣味ですが、強いて言えば日本社会全体に貢献できる部分も多少はあると思います。

日本人の多言語化を推し進める可能性

例えば、英語を読める日本人を増やせるのではないかと思います。そもそも多く日本人が英語を読むことができないのは、読む機会がないからです。わざわざ読む機会のない、母国語以外の勉強をするのはハードルが高い行為なので、たいていの人はしません。機会がないどころか、母国語以外のコンテンツを買うのも一苦労です。Amazon の充実でこれは変わってきていますが、10年前はかなり難しく、根性が必要でした。

対訳で二つの言語が使われていれば、自然ともう一つの言語を読む機会を提供できます。読む機会さえあれば、自然と読めるようになります。対訳コンテンツは日本人の多言語化に寄与します。

多言語化が進めば、翻訳する人口が増える

多言語扱える人間が増えれば、結果として対訳コンテンツを提供できる人間が増えます。そうすれば、より一層対訳原理主義が広まることとなります。このサイクルが加速します。

想定される反論への反論

英語があるだけで、嫌な気持ちになる

ぼくの友達でパクチーが嫌いな人間がおり、またこれは一定数いると思いますが、彼らは自分の料理にパクチーが入っているのはもちろんのこと、他人の料理にパクチーが入っているだけでも嫌がります。他人の料理にパクチーが入っているのは自由主義の原則に従い諦めてもらうとして、自分の料理にパクチーが入っていたら嫌ですよね。よくわかります。

ただカオマンガイに入ってしまったパクチーよりも、対訳で紛れ込んだ英文を取り除くことは簡単です。例えば対訳形式、英語だけ、日本語だけ、という切り替えを可能にするインターフェイスを実装することは比較的簡単です。これは対訳が広がれば自ずと運用されるようになります。ですので、そこまで耐えていただければと思います。あと少しです。

原文を読んだ方が早い

もちろんその通りですが、それはある程度の語学力とエンジニア力があって初めて成立するものです。私は日本語で JavaScript を学習できたことを感謝しています。最初から英語だけで学習することは難しかったと思います。原文を読んだ方が早い人が翻訳にまわってもらえる社会を作る。これが私の目下の目標です。

翻訳している時間を、コードを書く時間にあてたほうが、お金になる

その通りだと思います。結局のところ、翻訳できるほど理解しているエンジニアは、翻訳をするインセンティブがありません。その結果、質の高い翻訳がなかなか世に出てきません。これは根源的な問題です。

金銭的なインセンティブは、翻訳を通して得られることはないと思います。金銭的なインセンティブはおそらくいちばん大きなインセンティブです。

金銭的なインセンティブがないとすればどうすればいいのか。

結局は翻訳自体に面白みを見いだせる人を増やすしかないのかなと思っています。面白いことはみんなやります。基本的にはこれしかありません。

ということで、翻訳の面白さ、対訳の面白さを感じている人のコミュニティを作る、といったらおこがましいですが、自然と集まれればいいのかなとは思っています。ただコミュニティを作るには、やはり私自身が強力に対訳を推し進めなくてはいけないと思うので、まずは対訳コンテンツを圧倒的物量で提供していく。これをおこないます。

対訳主義者の今後の野望

私が今のところ翻訳できるレベルで扱えるのは英語だけなので、扱える言語を増やしていきたいと思います。同時に英語も強化していきたい。

そのためには、その言葉が使われている国に移動した方が、学習の効率が上がると思うので、半年毎に言語の異なる国を移動して、フリーランスのエンジニアとして仕事をしていきたいと思っています。

がんばるぞ!

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アドベントカレンダーに乗り遅れ、参加できそうなものがなかったので行われる、孤独な一人アドベントカレンダー。11日目の今日は、対訳原理主義者 編です。

 

 

 

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